2013-03-21

ルネッサンスに嵌まる…



















この期に及んで、ルネッサンスに嵌まっている。
見開き四段、全千ページ以上という
ものすごいページ数の辻邦生の『春の戴冠が』
あまりに面白いからだ。
前回読んでるって紹介して、
未だ終わらず 後、100ページ…
その上、雑誌『一個人』でイタリア・ルネッサンス特集とか出るし…


かれこれ20年前になってしまうイタリア生活のときには、
チンプンカンプンだったルネッサンス。
でも暇さえあれば通いまくった
ウフィッツイ美術館、シニョーリア広場、フィエゾレの丘…
おかげで、本を読んでいく中
いろんな景色や建物、小道や川の流れが目に浮かぶ。


先日、この本があまりに楽しいがために
実家の父に、
『私、今年はフォイレンツェに行って、
 ゆっくりとルネッサンスの絵画を観に行くわ』
と、告げると
『おぉ、行ってこい行ってこい!』
『もうさ、ゆっくりと絵画の前に立つと、
きっとルネッサンスの頃がよみがえる感じでたまらないのよねぇ』
と、感慨深げに絵の云々、ルネッサンスの云々をしゃべっていたら
『お前、じいさんみたいやね〜』
と、
確かに…
どうも、昨今 私の趣味は定年退職後のお父さんたちの趣味のようなのだ…
ま、いっか


呑み友達のSちゃんに
私、今年はフィレンツェに行こっかなぁって思ってるの
って言ったら、
つかさず手を挙げて
『ハイ!ついていきます』
『多分、私、一枚一枚の絵の前で講釈たれるよ〜』
『大丈夫です、私先に出てビール飲んでますって言うから〜』
やっぱり、おっさんな私…


この本、フィレンツェのメディチ家が全盛期の頃、
フィリッポ・リッピの弟子
サンドロ・ボッティチェリの人生を
親友の古典研究者フェデリゴが老年になって回想していく形で語られている。
もう、噛みしめて噛みしめて
読んでます。



ルネッサンスの頃にも
人々は喜び、踊り、楽しみ、
思ってもいない災難に悩み、
不安を抱え
そして次の未来を見つめて進んでいく。

いつの時代も人はあんまり変わらないなぁと思うのです。